モリー先生との火曜日

Tuesdays with Morrie

もちろん観劇より子供の参観日が大事.わかってます.加藤さんのお芝居より子供の弁当作りが大事.

あわよくばと6月9日本多劇場行きを画策したのですが,見抜いたかのような学校行事.それで,小田島さんのこんな記事ですものね.

出来れば,加藤様,シーズンオフの2月頃の再演求む.いかがでしょうか?

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【2010年(平成22年)7月13日(火曜日)付 読売新聞13面】

小田島雄志の「芝居よければすべてよし」

加藤健一事務所の30周年記念公演第3弾の「モリー先生との火曜日」(ミッチ・アルボム作,ジェフリー・ハッチャー+アルボム脚色,吉原豊司訳,高瀬久男演出.東京・下北沢の本多劇場で,6月3~15日上演)は,だれにとっても,特にぼくのような元教師の年寄りには,心にしみこむ舞台だった.

社会学教授モリー・シュワルツ(加藤健一)は,大リーガーのルー・ゲーリックも罹病したALS(筋萎縮性側索硬化症)におかされた.学生時代に彼の講義を聞き,今はスポーツ・ジャーナリストとして活躍しているミッチ・アルボム(高橋和也)は,テレビ番組でそのことを知ると,余命いくばくもない恩師のもとに飛んで行き,16年ぶりに再会する.

車椅子のモリーは大歓迎し,毎週火曜日ミッチひとりを相手に病室で最終講義を始める.ミッチは多忙なスケジュールを割いて,毎週デトロイトからボストンまで飛行機で「通学」する.テーマは,死,恐れ,老い,欲望,結婚,家族,社会,許し,人生の意味… .

加藤は,身動きひとつできなくなっても,つねに微笑をたたえて言いたいことをきちんと伝え,観客まで深くうなずいて生きる支えとなるような名言をつらねていく.高橋も,それを受けて,自然に,ということは先生の病状を思いやってわざと演技したりせずに,自分の思いをきちんと見せて,観客の思いをまとめて誘導していく.このふたりの「時間」は輝きをともなって流れていった......

(小田島雄志:東京芸術劇場名誉館長)

【写真】「モリー先生との火曜日」の加藤健一(手前)と高橋和也
(撮影・石川純)
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