佐渡國相川ひなまつり – あら,おひな様がいない編

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昨年2月に「花の会」なる会が佐渡相川に発足しました.それぞれのおウチに伝わるおひな様を飾って皆様に見ていただこうと有志が集まって始めた会です.ホテル吾妻も参加させていただこうと思ったのはいいのですが,飾るおひな様がイ・ナ・イ…

「そんな馬鹿な!おたくは三姉妹でしょ?」
「はい,間違いなく3人ともオンナです.」

「まあー」と嘆息.そうなのです,ウチの親は毎日毎日夕暮れまで裸足で駆け回っている3人の姿を見て,きっとおひな様を買い忘れてしまったのでしょう.

と言うことで,花の会様にご尽力いただき,大切なおひな様を某所よりお借りして無事“佐渡國相川ひなまつり”へ参加の運びとなりました.今年は参加者も増え30カ所での展示が予定されています.更に花の会の方々が町の中にお茶屋さんを開設するそうです.こちらもまことに楽しみです.

今年は2月25日から3月19日まで開催しております.今回は足を運んでくださる方々にお風呂も愉しんでいただこうと各ホテルで温泉入浴も企画しております.
(入浴は有料でございます.ご容赦下さいませ.)

皆様のお越しをお待ちしております.

(参考)
佐渡國相川ひなまつりマップ,ココからダウンロードできます.

(次回予告)
佐渡國相川ひなまつり – 町の檀那衆活躍編

中日新聞(夕刊) – 2005年10月12日号

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10月12日付け中日新聞(夕刊)の広告記事「がんばってます!!にいがた・ありがとうキャンペーン」の「ぜひ新潟へ!旅館の女将がご紹介します。」に,月岡の泉慶さん,瀬波の汐美荘さんとともに出させていただきました.

「拝啓 中越地震より早一年,穰る稲穂に自然の摂理を実感いたします.先ずは多くの皆様から頂きました励ましのお心に深く感謝を申し上げます.『仲秋や漁火は月より遠くして』 山口誓子が詠句した七千有余坪の庭園で豊かな自然を愛で,日本海に沈む夕陽を肴に一献傾けてはいかがでしょうか.佐渡へのお越しをお待ちしております. 敬具」

若女将交友録その3・櫻井哲夫様

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ベーシスト桜井哲夫様にお泊まり頂きました.桜井さんのお母様のご実家が主人の実家の隣の隣の隣,まあ早く言えば三軒隣なのですが,そういうご縁もあり今回は当館にお越しいただきました.まして主人はカシオペア時代からの大ファン,そわそわしながらその日を待っておりました.

私はといえば,フォーク・ジャンボリー系とでも言いましょうか,高田渡の“自転車に乗って”ですとか,なぎら健一の“アメリカちゃん”とかを口ずさみ,何ともそういったかっこよい世界とは無縁な学生時代を送っており,誠に申し訳ないのですがほとんどその偉大さを存じ上げないままお迎えした次第でございます.

ところが,行きつけの串焼き店での出来事です.櫻井さんご家族と我ら夫婦とでお店に入りしばし歓談しておりますと,一人の男性がこちらへやって来て「櫻井さんですよね,あっ,握手して下さい...やったー,神の手に触った!」とものすごい喜びようで「実は入ってきた時からそうじゃねーかなーと思っとったんですけど,しょーしねぇーて(=恥ずかしくて)言えんかったんですわぁ」と本当に嬉しそうでした.

それから,学生時代はジャズ研に入っていたという女医さんも握手を,そして元プロレスラー・今は酒屋のオヤジさんに至っては「練習さぼって国技館ライブ聞きに行きました」と感激のあまり倒れそうでした.と,こんな風に改めて桜井さんの人気を知るに至ったのであります.

「吾妻」の名の由来

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今日は,よくお客様からお問い合わせをいただく「吾妻」の名の由来について書きたいと思います.

東京・吾妻橋からこの地に移り住んだ先々代から暖簾分けされた祖父・深見小一が大正十四(1925)年に始めた料理屋が吾妻の原点です.昭和二十三(1948)年,旅館業へ転向,昭和三十四(1959)年に父が法人化しました.私で四代八十年(旅館転向からは五十七年),佐渡では古いクチになってしまいました.

祖父はいつも考えていたそうです.いらしたお客さんに”何か”をして差し上げたいと… (今では不可能ですが)金鉱石を採ってきてお土産に持たせたり,(今で言うふれあいガイドのはしりになるのでしょうか)芸妓さんたちを引き連れて(!)お客さんに金山までの道案内をかってでたり… とにかく,お客さんが喜ぶのを見るのが嬉しかったのでしょう.

そういえば,なぜかいつもチョコレートをダース単位で持っていました.孫のおねだりもおじいちゃんには通じません.一粒くれるのが関の山,でも綺麗なお姐さん方には気前が良かったようです(たぶんチョコがこどものからだにいいか悪いかを考えてくれていたんですね).

創業から八十年… 「ホテル吾妻の今も,おもてなしの心は変わりません!」そう胸を張って言えるようになりたいとつくづく思います(ホントに…).皆様の長年のご愛顧にこころから感謝申し上げますと共に,これからも末永くお付き合い下さいますようお願いいたします! かしこ

若女将交友録その2・David Eigenburgさん

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米国の方が続きます.デイヴィッド・アイゲンバーグと聞いてピンとくる人は少ないかも知れませんが,”Sex and the City (HBO TV series / WOWOW 放映)” のミランダ弁護士の元カレ「スティーヴ・ブレイディ役」といえば「アーハー」となるのではないでしょうか.

実はわたくし,デイヴィッド・アイゲンバーグさんにはお会いしたことがありません.若女将交友録の看板に偽りありなのですが,それはともかく,この番組にはまっていた時期がございました.

ミッキー・ナカボリさん(佐渡出身:ニューヨーク在住のヘア・ドレッサー)と電話でお話をしてて分かったのが,ミッキーさんとこのデイヴィッドさんがご近所ということでした.わたくしが番組のファンだと話したら,「デイヴィッドに言っておくわよ」ということで,佐渡への里帰りの際もらってきてくれたのがこのサイン入り白黒写真でした.”To Hotel Azuma”と銀色サインペンで為書きまでして下さいました.「いつか日本にも行くよ」とのことで,佐渡でお会いできたら素敵ですね.

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若女将交友録その1・Kyle Mansfieldさん

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今日ご紹介しますカイル・マンスフィールドさんは私の古くからのお友達で,米国カリフォルニア州在住のジュエリー・アーティストです.

カイルさんの作品はどれも独特のフォルムを持ちたいへん魅力的でお値段もお手頃.当館でも展示・販売しています.1995年にサンフランシスコのタイ料理店で一緒に食事をして以来ご無沙汰なのですが,お互い連絡はたまにしています.

そんなカイルさんのお仕事ぶりを “www.kyledesigns.com”から抜粋してみます.

California Artist Kyle McKeown Mansfield and her company Kyle Design
(カリフォルニアのアーティスト,カイル・マッキュウン・マンスフィールドとカイル・ディザイン社)

Kyle Design is a 23-year-old company known for high quality craftsmanship, reliability, and excellent customer service.
(カイル・ディザイン社は創業以来23年,ハイクオリティな技能,信頼性,優れた顧客サービスで知られています.)

Artist Kyle McKeown Mansfield creates unique, affordable pieces using her gift for design and flare for color, and her work is carried in more than 150 of the finest craft galleries in the country.
(スタジオ主催のアーティスト,カイル・マッキュウン・マンスフィールドはディザインの才能と色彩感覚を生かし,独特な意匠でお手頃な値段の作品を制作し,それらは全米150以上の高級工芸ギャラリーで扱われています.)

Profile: Kyle is a naturally prolific artist, having grown up in a family that loved creating. She is the daughter of two nationally recognized artists: the late woodworker Robert G. McKeown and ceramic/stained glass artist Lee M. McKeown. Kyle is a 1983 graduate of U. C. Berkeley where she received a degree in Business Administration and also studied Japanese. She lives with her husband and two young daughters in Northern California.
(プロフィール:モノ作りを愛する家庭に育った自然の成り行きで,非常に多作なアーティスト.全米にその名を知られた二人の芸術家:木工家である故ロバート・G・マッキュウンと,陶芸家でありステンドグラス・ディザイナーであるリー・ M・マッキュウンの長女.1983年,経営管理学の学位を取得しカリフォルニア大学バークリー校を卒業,日本語も勉強した.夫,2人の娘と北カリフォルニア在住.)

 

瀬戸内寂聴様御来島

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6月24・25日,瀬戸内寂聴様にお泊まり頂きました.中越地震により延期になっておりました講演会のための御来島です.

実際にお会いした寂聴様は何とも気さくで可愛らしく(83才になられる大先生にこんな表現失礼かとは思いますが),私が着ていた作務衣を見るなり「それ貸して頂けないかしら?」と第一声.戸惑いつつも,『そうだ丁度昨日届いた新品の作務衣が一着あった』と思い,「こちらでよろしければどうぞ」と差し出したのであります.なんとその作務衣を着用のままNHKの取材を受けてらっしゃいました.「どお,似合うでしょ,ここで『いらっしゃいませ』ってやろうかしら」と何とも茶目っ気たっぷりなお方なのです.

今回の御来島のもう一つの目的は“世阿弥を訪ね歩く”こととか.ご案内された方に伺いましたところ,大変な強行軍で,案内役の方曰く「おらち(=自分たち)の方がまいったぐらいで先生はさすがだなー,すごいタフだわ.」と感嘆しきりでした.昼間は世阿弥縁の地を訪ね歩き,夜は大善神社での薪能を鑑賞と本当に大忙しだったご様子です.瀬戸内寂聴著『世阿弥』が出版されたあかつきにはもちろん真っ先に買って拝読したいと思います.

そして翌日の講演会は満員御礼状態でした.お話は小気味よく,すっかり寂聴ワールドにはまってしまいました.
『不幸は誰の身にも襲ってくること,その不幸の
中にあっていかにそれを超越していくかなのよ』
『こだわることをやめると楽なのよ』
『今この時を切に生きること』
等々沢山の言葉を聞かせて頂きました.実に心地よい一時を過ごすことが出来ました.そして先生より「私も3日間佐渡に滞在し思ったのですが,世阿弥もこの佐渡にあって人情の厚い人たちに囲まれ最期の時を迎えたのかなとホッと致しました.」と佐渡人にとってありがたいお言葉をいただきました.

皆様も佐渡でホッとする一時を過ごしてみませんか? 佐渡の人情を感じにいらしてみて下さい.

縁はいなもの.これからも沢山のご縁に向かって日夜奔走しつつ,若女将忙中閑あり第1回目終了でございます.

(掲載にあたり寂聴様の快諾をいただきました.ありがとうございました.)